トランプ次期大統領-1


2024.11.19-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20241119-IH3UK3JBK5JJLPNPQDZVMRX5BE/
米FCC委員長にカー氏 巨大IT「検閲」批判 トランプ氏発表

  トランプ次期米大統領は17日、通信事業の規制・監督を担う連邦通信委員会(FCC)の委員長にブレンダン・カー氏を指名すると発表した。カー氏はトランプ氏に好意的な保守派の言論を巨大IT企業が検閲していると主張しており、18日付ワシントン・ポスト紙は、リベラル派のソーシャルメディアやテレビ局と対立しそうだと報じた。

  また、トランプ氏は18日、運輸長官に元下院議員で保守系FOXビジネスの番組司会者を務めたショーン・ダフィー氏(53)を指名すると発表した。
  カー氏は保守系シンクタンク、ヘリテージ財団がまとめた政府再編構想「プロジェクト2025」のFCC改革案の執筆者。X(旧ツイッター)を率いる実業家イーロン・マスク氏とも親密な関係を築いている。
  FCCは連邦議会が監督する独立機関。保守派の支持を受けるトランプ氏は、ソーシャルメディア運営会社の投稿規制が保守的な言論を標的にしていると訴えてきた。カー氏について声明で「言論の自由のための闘士だ。経済を停滞させてきた規制を終わらせるだろう」と期待した。(共同)


2024.11.19-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20241119-4KAMVLYILNPURL343KQQ32TS7U/
不法移民の強制送還、国家非常事態宣言で軍動員 トランプ氏「真実だ!」と投稿

  トランプ次期米大統領は18日、交流サイト(SNS)で、不法移民を強制送還するため国家非常事態を宣言して軍を動員する方針に関して「真実だ!」と投稿した。実際に軍を動員すれば混乱が起きるとの懸念は根強いが、従来の主張を繰り返した

  国家非常事態宣言は、武力攻撃や深刻な疫病の発生など大統領が国家の治安上切迫した危機があると判断した際に出す布告。賛否が割れる政策実現のために出すのは憲法違反だとの指摘がある。
  トランプ氏は不法移民の大規模送還を公約に掲げ、バイデン政権が打ち出した不法移民の救済措置を就任初日に撤廃すると訴えている新政権の国境警備責任者には対移民強硬派を指名すると発表している。
  第1次トランプ政権2019年2月、不法移民の流入阻止を狙い、メキシコとの国境での壁建設を進めるため、予算編成権を持つ議会を通さず費用を捻出しようと国家非常事態を宣言した。(共同)


2024.11.18-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20241118-2LQXAEB6GZCBVCQGJL6I3PUF7U/
新興SNS「ブルースカイ」の利用者が急増 マスク氏への不満でX離れ…日本でも人気
(西山諒)

  新しいSNS「Bluesky」(ブルースカイ)の利用者が急増している。運営する米ブルースカイ社によると、先週後半から連日、1日に100万人規模の新規アカウントが開設され、ユーザー数は2000万人に迫っている。Xと画面上の見た目や使い方が似ていることから、代替のサービスとして人気が高まり、米国のアップルとグーグルのアプリランキングで無料部門の1位となった。背景には、X(旧ツイッター)を率い、トランプ次期米政権で要職に就く実業家イーロン・マスク氏への不満があるとみられ、ブルースカイは“X離れ”の受け皿にもなっている。

ユーザー数は2カ月で倍増
  ブルースカイは、Xの共同創業者、ジャック・ドーシー氏らがアメリカで立ち上げた新しいSNSだ。2023年2月にスマホアプリがリリースされ、アメリカや日本を中心に利用者を増やしてきた。今年2月には招待制が廃止されて誰でも登録できるようになった。8月末に、ブラジルの最高裁判所がXの国内利用を禁じた後には、代替先としてブルースカイの新規登録が急増した。
  米大統領選では、Xを保有するマスク氏がトランプ氏の支持を表明し、7500万ドル(約112億円)の献金を行ったり、X上で対談を行ったりしたことで、Xのサービスは政治色が濃くなった。選挙後には、マスク氏が「政府効率化省(DOGE)」のトップに就くことが発表され、政権との距離がさらに近づいた。その結果、トランプ氏マスク氏に不満を持つユーザーがXからブルースカイへ転出。ブルースカイの公式発表では、18日午前に登録ユーザーが全世界で1900万人を超えた。アプリのリリースから1000万人を超えるまでに1年7カ月を要したが、そこから2カ月でほぼ倍増した。
Xに似た画面と使いやすさ
  これまでも、Xのアルゴリズムの変更などに合わせて、Xユーザーがブルースカイに流入することはあったが、大統領選をめぐるトランプ氏マスク氏の蜜月による影響は桁違いに大きかった。青を基調としたブルースカイのロゴマークは旧ツイッターを想起させ、画面のデザインや使い勝手も旧ツイッターに似ている。メタ社が運営する短文投稿SNSの「Threads」(スレッズ)もアプリランキングで2位になるなど勢いを増しているが、ブルースカイはXからの最も有力な移行先となっている。
  X離れは一般ユーザーだけにとどまらない。英有力紙ガーディアンは13日、Xの公式アカウントへの投稿を中止すると発表。「Xは有害なプラットフォームであり、所有者であるマスク氏は、その影響力を利用して政治的議論を形作ることができている」と批判した。今後、メディア各社がXと距離を置く可能性も指摘されている。
「健全なSNS」に多大な労力
  ブルースカイ社もXを強く意識しており、同社のジェイ・グレイバーCEOは15日、ブルースカイへの投稿で「私たちはブルースカイを健全なソーシャル・ネットワークにすることに多大な労力を割いている。このアプリは、ユーザーが見たいものや見たくないものを選んだり、どう交流するか選択する機会が与えられている」とアピールした。
  Xではオーナーのマスク氏の投稿が優先的に表示されるのに対し、ブルースカイでは、外部の開発者が作った美味しい料理や猫の画像の投稿を集めるアルゴリズムが人気を集めるなど、まったく異なるユーザー体験が人気を集めている。
  世界的に著名なブルースカイ社のソフトウェア開発者、ダン・アブラモフ氏は、10月の来日時の講演で、「既存のサービスでは新しい経営陣が入ったりして、方向性が変わることがある。ユーザーの視点で考えると、それは本当は正しくない」と指摘している。
日本でも盛り上がるコミュニティ
  ブルースカイの特徴は、Xやフェイスブックのようにひとつの企業が中央集権的に管理する仕組みとは異なり、利用者や開発者の連携によって成り立つ「分散型」のサービスであることだ。画面上の見た目や使い方はXとよく似ているが、基盤となる技術や思想が分散型で、プログラムもオープンソースとして公開されている。
  日本のブルースカイのコミュニティは、アメリカなど他の国と比べても熱量が高く、開発者らによるミートアップと呼ばれるイベントを何度も開催。ジェイCEOがオンラインで参加するなど、アメリカのブルースカイ社からも注目
されている。
(西山諒)


2024.11.16-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20241116-EQJE2M3U5NMONPGHNMP5VHH634/?outputType=theme_uspe
トランプ氏「FBI解体」訴えるパテル氏の長官起用検討 報道官に最年少27歳女性を登用

  【ワシントン=坂本一之】米CNNテレビ(電子版)は15日、トランプ次期大統領が連邦捜査局(FBI)長官に国防長官代行の首席補佐官を務めたカシュ・パテル氏の起用を検討していると報じた。パテル氏はトランプ氏を捜査してきたFBIの解体を訴えている。トランプ氏は同日、大統領報道官に史上最年少となる女性のキャロライン・レビット氏(27)を起用すると発表した。

  CNNによると、トランプ氏は大統領1期目の2017年に指名したクリストファー・レイ現長官を解任し、自身の熱烈な支持者であるパテル氏の登用を検討。FBI長官の任期は政治的な中立性を保つため大統領より長い最大10年だが、体制転換を図る意向だ
  これまでにパテル氏は、FBI本部を閉鎖し、職員を各地に送って警察として捜査させる考えなどを示していた。ただ、人事承認権を持つ上院が支持するかは不明
  トランプ氏は15日、エネルギー関連産業の強化を図る「国家エネルギー会議」を立ち上げて、議長に中西部ノースダコタ州知事のダグ・バーガム氏を充てると発表した。バーガム氏は内務長官も兼任する
  大統領選で陣営の報道担当を務めたレビット氏の大統領報道官への起用に関しては声明で、「『米国を再び偉大にする』とのメッセージを国民に伝える手助けをしてくれる」と強調した。
  一方、米主要メディアは15日、国防長官起用が12日に発表された退役軍人で保守系テレビ司会者のヘグセス氏について、17年に性的暴行容疑で警察の捜査対象となっていたと報じた。同氏は訴追されず、弁護士が違法行為を否定しているという。政権移行チームが今後の対応を協議している


2024.11.16-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20241116-RQLI5FG5EJPCXIHJDORHXIGTZ4/
米国防長官候補のヘグセス氏に性的暴行疑惑 トランプ政権移行チームが対応協議

  米主要メディアは15日、トランプ次期政権の国防長官候補のヘグセス氏が、2017年に性的暴行容疑で捜査されていたと報じた。元軍人のヘグセス氏はFOXニュースの司会者を務め、トランプ次期大統領が12日に指名した。トランプ氏の政権移行チームが対応を協議している。現時点で人事を取り下げるとの結論は出ていないとみられる。

  トランプ氏の陣営は事前に身辺調査を十分せず、暴行疑惑も把握していなかった。関係者によると、ヘグセス氏に関する新たな醜聞が出てくることを恐れているという。(共同)


2024.11.12-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20241112-MO4F754NGNMGLFAQSOJ7PYVLRY/?outputType=theme_uspe
トランプ氏の「粛清」人事はあるのか 個人的忠誠心が尺度、1期目の安全弁がない危うさ-「トランプ2・0」の衝撃⑤完
(ワシントン 大内清)

  米大統領選では、現状に不満を持つ庶民層の支持を得てトランプ前大統領(78)が圧勝した。トランプ氏の主張は明快かつ痛快で、それが人気の源泉でもあるが、次期政権の運営を巡る危うさも指摘されている。その一つは、トランプ氏が自身への忠誠心を尺度に政権人事を進めそうなことだ。反エスタブリッシュメント(既得権益層)を掲げるトランプ氏は官僚機構への敵対心も隠していない

  トランプ氏の支持者たちが米首都ワシントンの連邦議会を襲った2021年1月6日。共和党のトランプ大統領(当時)はホワイトハウス内にあるテレビでその狼藉を眺めていた。
  この日は、トランプ氏が敗れた前年11月の大統領選の結果を最終確定させる上下両院合同会議の開催日だった。群衆は、その進行役だったペンス副大統領(同)を「裏切者」と呼び「絞首刑にしろ!」と叫んだ。ペンス氏が、その場で選挙結果を一方的に覆せと迫るトランプ氏の要求を拒んだためだ。
  このままではペンス氏の命が危ない。懸念するスタッフにトランプ氏は「so what(だから何だ)?」と言った。
  議会襲撃事件の捜査を指揮するスミス特別検察官が、裁判所に提出した資料に記されているやりとりである。ペンス氏は後に「合衆国憲法よりも個人の利益が優先されるべきではない」とトランプ氏に従わなかった理由を語った。
ポンペオ元国務長官、ヘイリー元国連大使は「起用せず」
  あれから4年弱。今月5日の大統領選で当選したトランプ氏は人事の基準に、自分への「個人的忠誠心」を置く。
  第1次政権(2017~21年)で中央情報局(CIA)長官や国務長官を歴任したマイク・ポンペオ氏、国連大使を務めたニッキー・ヘイリー氏を「次期政権では起用しない」。こう断言した9日の交流サイト(SNS)の投稿にも、忠誠心を何より重んじる考えがにじみ出ていた。
  ヘイリー氏は共和党の候補者指名争いで「次代のホープ」として党内の穏健層から一定の支持
を得た。ポンペオ氏は、退任後も落選を否定し続けたトランプ氏と距離を置いた。
  第1次政権では、トランプ氏が気まぐれで重大な決断を下さないよう、周囲が巧みにサボタージュして混乱や危機を回避していた。このことは、米紙ワシントン・ポストの名物記者、ボブ・ウッドワード氏が政権の内幕を描いた18年の著書『FEAR』(邦題・恐怖の男)などから知られている。
  だが、より忠実な信奉者に固められた2期目でそうした「安全弁」は働くだろうか。
  第1次政権を中枢で支えたジョン・ボルトン大統領補佐官やマット・ポッティンジャー副補佐官らはトランプ氏から離れた。トランプ氏の首席補佐官を務めたジョン・ケリー氏は米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)のインタビューで「ファシストの定義に当てはまる」とトランプ氏を批判した。
「選挙向けのポーズ」という見方も
  忠誠心を重視するトランプ氏は同時に、政敵への強烈な「復讐心」を隠していない選挙戦では、民主党のバイデン大統領やその家族、ハリス副大統領、選挙戦で敵対した共和党の反トランプ派らを「犯罪者」「反逆者」だとし、「訴追する」などと語った
  自身の起訴に関わった検事や元側近、民事訴訟でトランプ氏側に不利な判決を下した判事らへの報復も公言している。
  共和党内には、こうした発言は「選挙向けのポーズにすぎず、実際には現実路線に落ち着く」とみる向きもある。だが、過激な発言が憎悪や不信を広げ、社会の分断をいっそう深めてしまったことは確かだ
  トランプ氏の一連の言説の核となっているのは、政治家やエリート官僚などからなる「ディープステート(闇の政府)」が米国を牛耳っているとする主張だ。彼らが推進したグローバル化や気候変動対策などが米国の衰退を招いたとし、「根絶」を訴える。
  そのためにトランプ氏は、連邦政府の政治任用ポストを信奉者で固めるだけでなく、官僚組織に対しても数万人規模の粛清人事を行うと主張している。選挙戦では「国家安全保障関連の部署や情報機関から腐敗分子を一掃する」ことなど10項目の計画を発表した。
  第1次政権でトランプ氏のスピーチライターや上級顧問を務めた腹心、スティーブン・ミラー氏らが権力機構再編の計画を練っているとされる。11日、米メディアは、トランプ氏が政策全般を統括する政策担当次席補佐官にミラー氏を起用する方針だと伝えた

トランプ次期政権の足元がどれだけ盤石なものとなるのかを、世界が注視している。
(ワシントン 大内清)=おわり


2024.11.10-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20241110-ZL4SCUXKAVJVJDFQCFREXIWKHE/?outputType=theme_uspe
「反移民」「反エリート」で共振するトランプ氏と欧州右派 国際秩序に打撃のリスク-「トランプ2.0」の衝撃③
(ワシントン 大内清)

  米大統領選で共和党候補のトランプ前大統領(78)が勝利を確定的にした6日、トランプ氏といち早く電話で言葉を交わした外国首脳の一人にハンガリーの強権指導者、オルバン首相(61)がいる。トランプ氏との親密さを誇示するように、X(旧ツイッター)に「私たちには未来に向けた大きな計画がある!」と投稿した。

  2人が盟友関係にあることはよく知られるトランプ氏は選挙演説で何度もオルバン氏を「強い指導者」「素晴らしい男」と絶賛した。オルバン氏も公然とトランプ氏を支持し、7月には米南部フロリダ州にあるトランプ氏の私邸に足を運んだ。
  欧州連合(EU)内で批判され、異端視されることの多かったオルバン氏が、トランプ氏との近さゆえに存在感を増していく可能性がある。
  オルバン氏が首相に返り咲いた2010年以降のハンガリーでは、報道の自由や司法の独立性、LGBT(性的少数者)の権利などへの制限が進んだ自由民主主義の規範から逸脱していると批判を浴びるが、オルバン氏はむしろ、自分こそが来たるべき「非リベラル民主主義」時代の先駆けだと胸を張る
盟友のオルバン氏、欧州難民危機が追い風に
  オルバン氏が権力を盤石にする契機の一つとなったのは、中東・アフリカの難民らが欧州に押し寄せた15年の難民危機だった。「反移民・難民」の旗幟(きし)を鮮明にし、人道的対応を求めるEUのエリート官僚らへの攻撃を強めた
  そうした「反移民」「反エリート」の主張は最近の欧州で大きな潮流になりつつある。
  フランスの「国民連合」(RN)やドイツの「ドイツのための選択肢」(AfD)といった右派勢力の台頭が典型だ。今年6月にEU各国で行われた欧州議会選では、フランスでRNが首位、ドイツでAfDが2位につけた。
  トランプ氏も同じ系譜にある。初当選した16年大統領選では、不法移民流入を阻止する「国境の壁」建設や、反エスタブリッシュメント(既得権益層)を掲げた。これらの主張は、20年大統領選での落選を経てさらに先鋭化している。
  今回の大統領選では、1100万人超とも2千万人超ともいわれる不法移民に「最大級の強制送還作戦」を行うと訴えた。民主党などのリベラル勢力を「内なる敵」と呼び、「州兵や米軍を使って排除する」とも語った。反エスタブリッシュメントの主張はしばしば、リベラル勢力から成る「ディープステート(闇の政府)」が米国を牛耳っているという陰謀論の色彩まで帯びる
  欧州の新興右派勢力には福祉政策の拡大を掲げているものが多く、トランプ氏もそうだ。
  共和党の支持基盤である保守派では従来、連邦政府の支出や権限を縮小し、企業の自由競争を促す「小さな政府」論が支配的だった。しかしトランプ氏は大統領選で、社会保障年金やメディケア(高齢者向け医療保険)の維持だけでなく、体外受精の費用を保険会社が負担するよう「義務付ける」と豪語するなど、民主党左派とみまがう主張を展開した。
  こうしたこともあって、仏RNや独AfD、オルバン氏やトランプ氏らはポピュリズム(大衆迎合主義)勢力に分類されることが多い
「自国第一」に由来する侵略国ロシアへの甘さ
  その政策と人気に盲点はないか。最も懸念されるのは、この勢力に共通する「自国第一」の姿勢が、ウクライナを侵略するロシアへの甘い態度につながっていることである。
  オルバン氏はプーチン露大統領と親しく、EUと北大西洋条約機構(NATO)内で最も親露的な立場をとるウクライナは「勝てない」と公言し、欧州各国は対ウクライナ支援を縮小して停戦圧力をかけるべきだとしてきた
  その主張は、ウクライナでの早期停戦を実現するとし、ロシアとのディール(取引)を志向するトランプ氏とも通じる
  仮にロシアに領土を割譲するような形でウクライナ侵略戦争が終われば、「一方的な領土変更は認めない」という第二次大戦後の国際秩序は根幹から揺らぐ。また、世界で「自国第一」の傾向が強まり、米国主導の集団安全保障体制が弱体化することは、プーチン氏が強く願ってきたことにほかならない
  米右派の最大イベント「保守政治行動会議(CPAC)」では近年、オルバン氏ら欧州の右派政治家が大歓声で迎えられ、連帯を確かめ合うのが恒例の光景となっている。トランプ氏の当選確実が伝えられたとき、旧ソ連構成国のキルギスを訪問中だったオルバン氏はわがことのように喜び、「ウオッカで祝杯をあげた」という。「反移民」「反エリート」が米欧で共振する現象は、世界に何をもたらすのだろうか。
(ワシントン 大内清)


2024.11.08-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20241108-V2Q64PJKOZM3XJVZDUOCP7W5ZE/
ウクライナ大統領、トランプ氏を「停戦は危険」とけん制 ロシアの北朝鮮兵死傷も明かす

  【ブダペスト=三井美奈】ウクライナのゼレンスキー大統領は7日、ブダペストで記者会見し、米大統領選で勝利したトランプ前大統領がロシアとの戦いに停戦圧力をかけることを警戒し、「ウクライナの安全を保証せずに、停戦を急ぐのは危険だ」と述べた。

  ゼレンスキー氏の発言は、欧州連合(EU)と近隣諸国による「欧州政治共同体(EPC)」首脳会合後の記者会見でのもの。会合でホスト役であるハンガリーのオルバン首相が、トランプ氏の勝利に勢いを得て停戦を急ぐよう訴え、「西側で停戦を望む国は、米大統領選前より増えた」と主張したのに反論した。
  ゼレンスキー氏は、6日にトランプ氏と電話会談したことに触れたうえで、「トランプ氏は早急に戦争を終結させたがるだろうが、実現するとはかぎらない。ロシアは非常に複雑な敵だ」と述べた。さらに、「戦後のことを考えずに停戦を主張するのは無責任」「停戦を提案するのは、北大西洋条約機構(NATO)へのウクライナ加盟に反対する指導者だ」と口調を荒らげた。オルバン氏を念頭に置いた発言だ。
  ゼレンスキー氏はまた、ロシアに派遣された北朝鮮兵にも言及した。1万1千人が露西部クルスク州で戦闘に加わり、損失が出ていると指摘。「政治的圧力を加えなければ、北朝鮮は派兵の数を増やすだろう」予測した。


2024.11.06-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20241106-QWH43AAOM5KVRFSX3DK7LR5CXA/?outputType=theme_uspe
「米国を再び偉大に」トランプ前大統領が勝利宣言

  5日に投開票が行われた米大統領選で、共和党候補のトランプ前大統領(78)は6日未明、南部フロリダ州ウエストパームビーチで演説した。大勢の支持者を前に「米国民にとって素晴らしい勝利だ。米国を再び偉大にする」などと述べ、勝利を宣言した。

  FOXニュースなどの米メディアが6日未明(日本時間6日午後)、トランプ氏が民主党候補のハリス副大統領(60)に勝利し、当選を確実にしたと報じていた。
  トランプ氏は2016年以来、2度目の当選。25年1月に任期を終える民主党のバイデン政権から4年ぶりに共和党への政権交代が決まった


2024.11.06-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20241106-M25UHALIBNK4JEDCXERLESC6RQ/?outputType=theme_uspe
トランプ氏「新たな黄金時代つくる」 支持者は熱狂的な大歓声 ハリス氏陣営は消沈
(ワシントン 大内清、パームビーチ 本間英士)

  米大統領選共和党候補のトランプ前大統領(78)は米東部時間6日未明(日本時間同日午後)、勝利を宣言する演説を行い、「米国は新たな黄金時代に入る」と語った。3度目の大統領選となったトランプ氏は今回、獲得した選挙人の数だけでなく、総得票数でも民主党候補のハリス副大統領(60)を上回る「完全勝利」となる見通し。ホワイトハウスへの返り咲きを決めたトランプ氏に対し、会場に集まった支持者らは熱狂的な大歓声で応じた

主張が支持者に深く浸透
  6日未明、トランプ氏の私邸がある南部フロリダ州パームビーチには全米各地から熱心な支持者が集まり、勝利の瞬間を待った。
  南部アーカンソー州から車で18時間かけて来たジュリアナ・バロッグさん(70)は「米国の歴史で最も重要な日に、どうしても連帯の気持ちを示したかった」と力を込めた。
  「最後はトランプ氏が勝つと信じていた」と語るのは、中西部インディアナ州から駆けつけたマイク・ボートマンさん(56)。トランプ政権の1期目(2017~21年)では「米国の経済は強く、治安も安定していた。今は経済が落ち込んで物価はひどく上昇し、開いたままの国境から不法移民が薬物を持ち込んでいる」と語る。いずれも選挙戦でのトランプ氏の主張をなぞったもので、同氏の主張が支持者に深く浸透していることをうかがわせる。
テレビで開票作業見守る
  一方のハリス氏は5日、東部ペンシルベニア州、南部ジョージア州などの接戦州のラジオ局に相次いで出演。午後には民主党全国委員会がワシントン市内に設置した「電話作戦」の本部にも足を運んだ。自らも有権者に電話をかけるなどして、ボランティアのスタッフたちを鼓舞した。
  ハリス陣営は、ハリス氏の母校で、首都ワシントンにあるハワード大学に選挙対策本部を置き、支持者とともにテレビの開票速報を見守った。
  黒人が多く学ぶ名門として知られるハワード大は、ハリス氏が在学中、学生組織の役職に立候補したことが「政治活動の原点になった」(ハリス氏)場所とされる。
  会場には、当初、大統領選の情勢に対する楽観的な雰囲気が漂っていたが、開票状況がトランプ氏有利に傾く中で、期待は絶望感に変わった。
  日付が変わった6日午前0時半過ぎ、関係者から「ハリス氏が今晩のうちに現れることはない」と告げられると、敗北を悟った人々が肩を落として家路についた
(ワシントン 大内清、パームビーチ 本間英士)


2024.11.01-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20241101-SKVOW6FPVFLCPM7KZ33RKSNEOA/
トランプ氏、反ワクチン論者ケネディ氏を公衆衛生分野で起用? 保健行政の混乱必至の見方

  【ワシントン=大内清】米大統領選に無所属で出馬を表明後、共和党候補のトランプ前大統領(78)への支持に転じたロバート・ケネディ・ジュニア氏(70)が、トランプ氏が当選すれば公衆衛生分野の連邦機関を統制する権限を「(トランプ氏から)約束された」と明かし、波紋を呼んでいる。反ワクチン論者で知られるケネディ氏が同分野の要職で起用されれば、保健行政の混乱は避けられないとの見方が強い。

  ケネディ氏は10月28日、支持者らとのオンライン対話で、厚生省とその管轄下の疾病対策センター(CDC)、食品医薬品局(FDA)、国立衛生研究所(NIH)や、農務省などの機関名を挙げて「これらをコントロールすることが重要」「トランプ氏が私に約束した」と語った。
  ケネディ氏は過去に「すべてのワクチンは安全ではなく効果もない」などと発言。今年8月には、2014年にニューヨーク市のセントラルパークに熊の死骸を放置したと〝告白〟するなど数々の奇行で知られる。
  ケネディ氏は、民主党のジョン・F・ケネディ元大統領(1963年に暗殺)のおいで、ロバート・ケネディ元司法長官(68年に暗殺)の息子。今回の大統領選では無所属で出馬を表明したが、8月に選挙戦から撤退しトランプ氏支持に回った。トランプ氏には、名門一族出身のケネディ氏が、有権者を民主党候補のハリス副大統領(60)から離反させられるとの期待がある
とみられる。
  ケネディ氏の親族らは8月、声明で、同氏がトランプ氏を支持するのは「一族の価値観への裏切りだ」としてハリス氏への支持を表明した。
(ワシントン 大内清、パームビーチ 本間英士)


2024.10.06-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20241026-VQDOX4YH65IZRB2RF764B4522Y/
米国は不法移民で「世界にとってのごみ箱」 トランプ氏の発言が物議

  米大統領選の共和党候補トランプ前大統領主要争点の不法移民問題を巡り、米国は「世界にとってのごみ箱のようだ」発言したことが物議を醸しているバイデン民主党政権の国境管理が不十分だと批判する趣旨とされるが、移民を人間扱いせず「脅迫的」(米メディア)との指摘が上がる。

  この発言があったのは、激戦州の西部アリゾナで24日に開かれた集会。
  トランプ氏はバイデン大統領や民主党候補のハリス副大統領が不法移民の急増を招いたとし「怒りを感じる」と非難。「ごみ箱のようだ」と発言したのは初めてとした上で「とても正しい描写だ」と正当化した。
  ハリス氏は今月25日、発言について「トランプ氏がいかに私たちの国を卑下しているかを示す新たな実例だ」と指摘。大統領としての適格性に改めて疑問を呈した。(共同)


2024.09.16-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240916-WN3DD3RUUJME3OOUAGGB5APIEI/
米、再び政治暴力の影 共振し増幅する憎悪 トランプ氏2度目の暗殺未遂

  【ワシントン=大内清】11月に迫った米大統領選に再び「政治暴力」の影が伸びた南部フロリダ州で15日に起きた、共和党のトランプ前大統領(78)に対する約2カ月で2度目となる暗殺未遂事件大激戦が続く本選への影響は不透明だが、すでに修復困難なレベルに達している政治分断がいっそう深まる危険性は高い

  トランプ氏は、7月13日に東部ペンシルベニア州での選挙集会で耳に銃撃を受けながら支持者を鼓舞し、「死の淵から生還した指導者」とのイメージを得たことで一時は勝利を大きく引き寄せたと思われた直後に中西部ウィスコンシン州で行われた共和党全国大会での指名受諾演説では、攻撃的な言動を抑制して「米社会の不和と分断は修復されなければならない」と語り、政治的分断の克服を訴えた
  しかし7月下旬、対立する民主党の候補がバイデン大統領(81)からハリス副大統領(59)にバトンタッチ。同党が急速に劣勢を挽回したこともあって、トランプ氏は、政敵を罵倒する従来の手法を再び強めた
  ハリス氏を「マルクス主義者」「極左」などと呼んで挑発するだけではない。今月10日のハリス氏との初討論では、不法移民の脅威を強調するため、ハイチ移民が「ペットを連れ去って食べている」などと事実に基づかない主張を繰り返した今回の事件の数時間前には、自身の交流サイト(SNS)で、ハリス氏支持を表明した世界的人気歌手テイラー・スウィフトさんに対し「大嫌いだ!」と当たり散らした
  ハリス氏も、今回の大統領選は「未来」を志向する人々と、トランプ氏を支持する「過去」にとらわれた人々との戦いだと印象付けることで、米国民を二分するかのようなレトリックを駆使している。共和、民主両党の相互不信が〝共振〟し、憎悪が増幅されている面があることは否めない。

  11月5日の本選まで1カ月半あまり。一部の州ではすでに郵便投票が始まっている今回の事件を受けて両陣営がどのようなメッセージを発するかが、投票先を決めかねている層の行動を左右する


2024.08.22-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240822-7I4QBCNBPVLI3LJ2EU7XHA3IBY/
トランプ氏、暗殺未遂後初の屋外集会 防弾ガラスや大型トラックで遮蔽、狙撃手配置で厳戒

  米大統領選の共和党候補トランプ前大統領は21日、南部ノースカロライナ州で、7月13日の暗殺未遂事件後初となる屋外での選挙集会を開いた。狙撃対策として演壇の周囲を防弾ガラスで覆うなど、厳重な警備が敷かれた。

  事件後は屋内施設で集会を開催してきたが、より多くの支持者が参加できる屋外集会の再開を要求。大統領警護隊(シークレットサービス)が防弾ガラスなどを使った警備計画を承認した。
  この日の集会では、会場周辺の建物の屋上に狙撃手が配置されたほか、大型トラックなどを使って周辺から演壇への視線を遮った。
  トランプ氏は演説で、労働省が3月時点の非農業部門の就業者数を下方修正したことを受け、民主党のバイデン大統領やハリス副大統領が「存在しない就業者をでっち上げていた」と批判した。(共同)


2024.08.17-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240817-WV5IPB3DZBO6NHTMEUGTTQUEBE/
トランプ氏、政権移行チームに長男、次男を起用 幹部職員人事に影響か

  米大統領選の共和党候補トランプ前大統領陣営16日、民主党候補のハリス副大統領に勝利した場合に備え、政権移行チームを立ち上げると発表した。3人の名誉議長には副大統領候補バンス上院議員のほか、トランプ氏の長男ジュニア、次男エリックの両氏を起用する

  米主要メディアは、トランプ氏の息子2人が次期政権の幹部職員人事で強い影響力を握る可能性があると伝えた。
  トランプ陣営によると、2人の共同議長には、トランプ前政権で中小企業局長を務めたリンダ・マクマホン氏、米債券取引大手カンター・フィッツジェラルドのハワード・ルトニック最高経営責任者(CEO)が就く(共同)


2024.08.14-産経新聞(KYOTO)-https://www.sankei.com/article/20240814-P43KKYNS2RK57HSLORNRFQNYA4/
米車労組がトランプ氏とマスク氏を告発 X会談で「ストライキ中の労働者はクビ」発言

  全米自動車労働組合(UAW)は13日、共和党の大統領候補に指名されたトランプ前大統領と米電気自動車(EV)大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が労働者を脅迫したとして、労働当局に告発したと発表した。12日に行われた両氏の会談での発言を問題視した。

  トランプ氏とマスク氏は12日夜にX(旧ツイッター)上で会談した。その際にトランプ氏はストライキ中の労働者がいれば「『クビだ』と言えば良い」などと発言した。
  UAWは、ストを理由に従業員を解雇することや脅すことは連邦法違反だと主張。フェイン会長は声明で「トランプ氏とマスク氏は労働者階級の人々が黙って座っていることを望んでいる」と批判した。(共同)


2024.08.13-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240813-MIGFRPPXQNNVBMASUETWG6EUAY/
トランプ陣営の内部情報流出、FBIがイラン関与で捜査 バイデン、ハリス陣営にも攻撃

  【ワシントン=大内清】米大統領選の共和党候補、トランプ前大統領(78)陣営の内部情報がハッカー攻撃で外部に流出した問題で、連邦捜査局(FBI)がイランによる関与の可能性があるとみて6月から捜査を進めていることが分かった。米紙ワシントン・ポスト(電子版)が12日報じた。同紙によると、民主党のバイデン大統領(81)やハリス副大統領(59)の陣営にもハッカー攻撃があったが、現在のところ被害は確認されていないとしている。

  トランプ陣営は10日、イラン政府の関連組織が大統領選の候補者を標的に、サイバー空間での情報工作を活発化させているとするマイクロソフト社の報告を受け、自陣営がハッキングの被害を受けていたと明らかにしたマルウエア(悪意のあるソフト)を仕込んだ電子メールを送りつける「フィッシング」の手口で情報を盗み出し、一部の報道機関に流出させたとみられている
  流出した中には、トランプ氏が副大統領候補の選出過程で調査したバンス上院議員(40)の資料などが含まれる。陣営は「流出したのは公になっている情報だけだ」と説明している。
  同紙によると、同様のフィッシング攻撃は、選挙戦撤退前のバイデン氏陣営やハリス氏陣営にも行われた。FBIは、いずれもイランの関与があったとみて捜査を進めているという。イランは関与を否定している。
  大統領候補へのサイバー攻撃では、2016年大統領選で民主党全国委員会のシステムが侵入を受け、トランプ氏と争っていた同党のクリントン候補陣営の電子メールが大量に流出するなどしてクリントン氏の支持低下につながった事例がある。この攻撃は後の捜査でロシアによる選挙干渉と断定された。


2024.08.10-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240810-CF374ZPYKNID7OYUIHJM35L7OM/
警備要員不在に警察官衝撃、混乱 トランプ前大統領暗殺未遂現場、緊迫の映像

  米東部ペンシルベニア州で7月に起きたトランプ前大統領の暗殺未遂事件で、CNNテレビなどは8日、警察官が装着していたボディーカメラの映像を放送した。緊迫した現場の雰囲気や、容疑者がいた建物の屋根に警備要員が配置されていると認識していた警察官が、実際には誰もいなかったことに衝撃を受けて混乱する様子が記録されている。

  事件発生後、建物に駆け付けた警察官の一人が、警備要員が「屋根の上にいたと思っていた」と発言同僚が「違う」と返すと「なぜ誰もいなかったんだ」といら立った様子で語った。映像には、屋根を警戒すべきだと事件の4日前に大統領警護隊(シークレットサービス)に伝えていたとして不満をあらわにする警察官の声も入っている
  警備の不備を巡っては、警察と大統領警護隊の意思疎通の欠如が原因の一つだとされている。(共同)


2024.07.31-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240731-FNDNTWYEEBM37E5L5S7ZDOWXGQ/
トランプ氏、障害者差別か おいが証言「原子力級に狂っている」 陣営は否定

  米共和党のトランプ前大統領のおい、A氏は30日放送のABCテレビのインタビューで、トランプ氏が大統領在任中、障害者は「死ぬべきだ」と発言していたと明らかにした。「叔父は原子力級に狂っている」と語った。トランプ陣営は「完全な捏造だ」と否定した。

  一族の内幕を描いた本を30日に出版したA氏は、2020年5月に障害者の権利促進のためホワイトハウスの大統領執務室でトランプ氏と面会した際、トランプ氏は障害者は「金がかかる。死ぬべきだ」と言い放ったと振り返った。
  A氏の息子も障害者で、数年前にフレッド氏が電話で支援を求めたところ、トランプ氏は「君の息子は君を認識していない。彼を死なせろ」と言ったという。
  A氏は、11月の大統領選では民主党のハリス副大統領に投票すると述べた。トランプ氏が勝利した場合、来年1月の就任式に招待されれば出席するとも語った(共同)


2024.07.27-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240727-CEE7K7DQQJKN5AXOCSCIB6UPAI/
トランプ氏、ネタニヤフ氏と会談 ハリス氏に敗れれば「第三次世界大戦になる」

  【ワシントン=大内清】米共和党のトランプ前大統領は26日、南部フロリダ州にある自身の邸宅マールアラーゴで、イスラエルのネタニヤフ首相と会談した。11月の大統領選に向け、親イスラエル的なキリスト教右派などの支持を固めたいトランプ氏と、政権延命のために米国からの後ろ盾を得たいネタニヤフ氏の思惑が合致。両氏は悪化していた関係を修復し親密ぶりをアピールした。

  トランプ氏は邸宅でネタニヤフ氏と妻サラ氏を出迎え、報道陣にポーズを取ってみせた。会談では、民主党のハリス副大統領が前日にネタニヤフ氏に対し、パレスチナ自治区ガザへの攻撃に関する深刻な懸念を伝えたと表明したことを「無礼だ」と批判。大統領選でハリス氏に敗れれば「中東で大戦争が起き、もしかしたら第三次世界大戦になる」と主張した。
  ネタニヤフ氏は、バイデン政権が仲介するガザでの停戦協議では米国とイスラエルに隔たりがないことが重要だとし、ハリス氏の発言が「それを変えてしまわないことを願う」と不満をみせた。
  トランプ氏はこれまでガザ情勢を巡り、「すぐに戦闘を終わらせるべきだ」と主張していたが、会談を受けた同氏側の発表には停戦協議への言及はなかった。
  両氏の顔合わせは、トランプ氏退任後で初。今回の会談はネタニヤフ氏側が要請したもようだ。
  トランプ氏は1期目、イスラエルの主張通りにエルサレム全域を同国の首都と認定して大使館を移転させるなど同国寄りの政策をとり、ネタニヤフ氏とも蜜月関係にあった。だが、同氏が2020年大統領選でバイデン現大統領に祝辞を送ったことに激怒したと伝えられるなど、ここ数年は関係が冷え込んでいた。トランプ氏は20年大統領選で大規模な不正があったと主張している
  トランプ氏は26日、記者団に「(ネタニヤフ氏とは)常に良い関係だ」と強調した。


2024.07.20-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240720-TCGPNMNJKRLHDPWXFEDI6O7VTY/
社説 <主張>トランプ氏演説 対中政策にもっと言及を

  米共和党の大統領候補であるトランプ前大統領党大会で指名受諾演説を行った。当選に自信を示し、「米国を再び偉大にする」と決意を述べた。

  党大会開催直前に起きた自身への暗殺未遂事件について語ったトランプ氏は、「米国の不和と分断を修復しなければならない」と述べ、党派を超えた結束を国民に呼び掛けた。民主党のバイデン大統領への批判はいつもより抑制的だった。
  国内の分断を修復し、強い米国の復活を目指すのは結構なことだ。国際秩序を脅かす中国やロシアなどの専制国家に対抗していく上で、米大統領の指導力は欠かせないからだ
  問題は、陣営が「最大の脅威」と位置づける中国についてトランプ氏が「高関税を課す」と述べたほかは、演説で具体的に言及しなかったことだ。
  副大統領候補のバンス上院議員は米メディアの取材に「中国こそがわが国にとって最大の脅威だ」と述べた。この認識は正しい。
  トランプ氏も演説で「(バイデン政権下で)戦争は欧州と中東で激化し、台湾、韓国などアジア全域に紛争の恐怖が広がっている」と述べた。「平和、安定、調和を世界に取り戻す」「(1期目では)電話一本で(戦争を)とめることができた」とも語った。だが、具体策への言及はなかった
  共和党が15日に採択した政策綱領は、大統領選の公約に等しい。そこでは「同盟国による共同防衛の投資の義務を確かなものとし、欧州の平和を取り戻すことで同盟を強化する」とうたっている。

  北大西洋条約機構(NATO)や日韓などの同盟諸国が応分の防衛負担に努めれば米軍に余裕が生まれ、中国を抑止したり、イランを封じ込めたりしやすくなるというのだろう。それはもっともである。
  ただし、そうであるなら、トランプ氏は米国の繁栄には同盟国との絆も重要だと認識し、それを語らなければならないロシアのウクライナ侵略を失敗させることが、中国を効果的に抑止していく上で欠かせない点にも気づいてもらいたい
  日本にとって米国は唯一の同盟国だ。トランプ氏が大統領に復帰する場合の外交・安全保障戦略を、政府与党内で急ぎ立てておくべきだ。


2024.07.16-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240716-Z34FEOCFMZJEVAENSI4CX7WDPY/
機密文書持ち出し起訴を棄却 トランプ氏に追い風 フロリダ州連邦地裁判事

  米主要メディアは15日、トランプ前米大統領が私邸に機密文書を持ち出したとして起訴された事件で、南部フロリダ州の連邦地裁判事が、担当検事の任命に問題があるとの弁護側の申し立てを認め、起訴を棄却したと報じた。大統領選で返り咲きを目指すトランプ氏に追い風となった。

  判断したのはトランプ政権時に指名されたキャノン判事トランプ氏側は、事件を担当するスミス特別検察官が違法に任命され、司法省から不適切な資金提供を受けていたと主張していた。
  トランプ氏はスミス氏が担当した2021年の議会襲撃事件などでも起訴されており、他の事件の棄却にもつながる「最初の一歩となるべきだ」とソーシャルメディアで主張した。
  トランプ氏は国家防衛に関する文書を保持する権限がないのにフロリダ州の私邸マールアラーゴで保持し、退任後の21年に2回にわたり、米軍の作戦に関する文書や地図を機密と知りながら閲覧権限のない外部の関係者に見せたとして起訴された。(共同)


2024.07.16-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240716-EBOIFVVPJRLG5LJHUX4OZFM5YY/
トランプ氏、党大会で団結強調へ「勇ましい演説用意していたが、あの経験の後で言えない」

  トランプ前米大統領は14日、保守系メディア、ワシントン・エグザミナーなどのインタビューで、15日開幕の共和党大会での演説を国民の団結を訴える内容にすると明らかにした。

  自身の暗殺未遂事件で大統領選の選挙戦が一変したと述べ、「国を一つにするチャンスを与えられた」と説明。バイデン政権を批判する内容から書き換えたという。
  共和党大会での演説について「いかに皆ひどく、腐敗しているのかを語るのは、それが事実であってもよくないと思った。とても勇ましい演説を用意したが、あの経験の後でそんなことは言えない」と述べた。
  「全米だけでなく、全世界を一つにするチャンスだ」と語り、歴史の要請に応えるとした。(共同)


2024.07.15-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240715-KESXYIT47JPFRN6K3WQ7SEB5G4/
トランプ氏銃撃のA容疑者、「毎日のようにいじめられ」の証言 成績は優秀

  米メディアによると、トランプ前大統領暗殺未遂事件のA容疑者(20)介護施設で働き、高校時代は理数系科目の成績優秀者として表彰される一方、友人は少なく、いじめられていたとの証言もある。射撃部に入ろうとしたこともあったという。

  ペンシルベニア州ピッツバーグに近いベセルパークで育った。事件現場の同州バトラーからは車で約1時間。中流階級の家庭が多い地域だ。
  「昼食時は1人で座り、服装をばかにされていた」高校の同級生は、容疑者が毎日のようにいじめられていたと振り返った。別の同級生は「人の悪口を言わない良い子で、こんな事件を起こすとは思えなかった」と話した。
  犯罪歴は確認されておらず、介護施設の幹部も声明で、採用時の身元調査で問題はなかったと語った。 父親は政府の不介入を重視する小政党リバタリアン党支持者で、母親は民主党を支持。容疑者本人は18歳で共和党員として有権者登録していた。
  AP通信によると、事件当時に着ていたTシャツには、拳銃やライフルを撃つ動画を投稿する人気ユーチューブ番組の名前が記されていた。(共同)


2024.07.14-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240714-6KPVB6KAFVLY3AU6T5PZDXLIBU/
トランプ氏銃撃 集会で耳負傷 暗殺未遂で捜査 聴衆3人死傷し容疑者殺害

  【ワシントン=大内清、坂本一之】米東部ペンシルベニア州バトラーで13日午後6時(日本時間14日午前7時)過ぎ、11月の大統領選に備えた選挙集会で演説中の共和党のトランプ前大統領(78)に向かって何者かが銃を発砲した。トランプ氏は右耳を負傷したが治療し命に別条はない。大統領警護隊(シークレットサービス)によると、集会参加者1人が死亡、2人が重傷を負った。

  連邦捜査局(FBI)は13日夜の記者会見で、「トランプ氏に対する暗殺未遂」として捜査を進めていると述べた。
  米メディアは捜査当局が容疑者についてペンシルベニア州に住む20歳の男と特定したと報じた。容疑者はシークレットサービスによって殺害され、ライフル銃も押収された。発砲は複数回で、集会の会場外からだった。建物の屋上からとの報道もある。
  トランプ氏は発砲音の直後、右耳を押さえながら演台の裏にしゃがみ込んだ。シークレットサービスが覆いかぶさり1分間ほど伏せた後、抱きかかえられるように立ち上がって右拳を突き上げ、支持者に無事を知らせた。トランプ氏はそのまま車で会場を後にした。
  同氏はソーシャルメディアで「右耳の上部を貫通する銃弾を受けた。大量に出血し、何が起きたか理解した」と述べた。当時の状況を「銃声などが聞こえ、銃弾が皮膚を引き裂くのを感じた」と説明。事件で亡くなった聴衆の遺族に対し「哀悼の意」を表した。
  トランプ陣営は、本人の体調は良好で共和党の大統領選候補を正式決定する15日からの党大会に参加予定だと発表した。
  民主党のバイデン大統領(81)13日、事件を受け東部デラウェア州で演説し、「米国にこのような暴力が許される場所はない」と強く非難し、事件の「徹底的な捜査」を進める考えも示した
  ホワイトハウスによるとバイデン氏は同日夜、トランプ氏と電話で会話した。
  米CNNテレビは捜査関係者の話として、トランプ氏を銃撃した容疑者は集会の会場外にある建物の屋根の上にいたと報道。英BBC放送は、現場近くの建物の屋上にライフル銃を持った男がいるのを目撃した男性のインタビューを放映した。男性は、銃を持った不審な男がいることを付近の警官やシークレットサービスに伝えたにもかかわらず、犯行を防ぐことはできなかったと語った。

  米国ではこれまでも大統領ら要人が暗殺の標的にされてきた。奴隷解放宣言で知られるリンカーン大統領は1865年、ワシントンで観劇中に撃たれて死亡1963年にはケネディ大統領がテキサス州ダラス市内をオープンカーでパレード中、頭を銃撃されて死亡した。81年にはレーガン大統領がワシントンで銃撃されたが、手術を受け一命を取り留めた


2024.07.14-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240714-V52JW7EVB5IORO42LWF4JQSCQQ/
トランプ氏暗殺未遂 容疑者はペンシルベニア州に住む20歳の男 捜査当局が特定

  トランプ前米大統領が銃撃され負傷した事件で、米メディアによると、捜査当局は容疑者について、ペンシルベニア州に住む20歳の男と特定した。容疑者は大統領警護隊(シークレットサービス)によって現場で殺害された。(ワシントン支局)


2024.07.14-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240714-H2KIB4GCWNNLPKHCAHSJA6BIG4/
トランプ氏銃撃 共和党大会開催地の反応…民主党支持者「当然の報い」 共和党員「奴らの手口」

  【ミルウォーキー=平田雄介】11月の米大統領選に向けた演説中にトランプ前大統領が銃撃された事件を受け、トランプ氏が共和党候補に正式決定する党全国大会が15日に始まる中西部ウィスコンシン州ミルウォーキーでは、党関係者や市民が「民主主義への攻撃だ」と容疑者を非難する声を上げた。
 ただ、街角には、銃撃を「当然の報い」と語る民主党支持者や、「これが奴らの手口」と民主党の関与を疑う共和党員がいて、党派対立の根深さをうかがわせた。党大会の会場を警備する警察官は「テロを許さない」と表情を引き締めた。

  事件発生時、ミルウォーキーで大リーグの試合を観戦していた共和党関係者の一部は、急きょ宿舎に戻り対応を協議した。
  宿舎のホテルは、1912年の大統領選で返り咲きを狙ったセオドア・ルーズベルト元大統領が襲われた暗殺未遂事件の地。ルーズベルト氏は胸に銃弾を受けたまま演説に向かい、「私を倒すのに1発の弾丸では足りない」と名文句を残した。
  トランプ氏の地元・南部フロリダ州から訪れたトム・ガイテンスさん(55)は、銃撃後に拳を突き上げたトランプ氏を「聴衆を安心させ、戦えと鼓舞した」と評価し、選挙戦に弾みがつくとの見方を示した。
  ミルウォーキーの黒人社会は、高齢者を中心にトランプ氏の言動は「憎悪に満ちている」と話す人が多い。銃撃を「当然の報い」と語るアルバータ・ウィリアムズさん(79)のそばで、友人のティナ・アルドリッチさん(55)は「誰も銃で撃たれるべきではないわ」と静かに語った。


2024.07.14-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240714-4TOEHCIQBVOJ7O5US3YVESWRLQ/
「屋上からトランプ氏狙撃」目撃者がメディアに語る 不審者情報伝達も犯行防がれず

  【ワシントン=大内清】米共和党のトランプ前大統領が11月の大統領選に向けた選挙集会発砲を受け負傷した事件で、英BBC放送は13日、現場近くの建物の屋上にライフル銃を持った男がいるのを目撃した男性のインタビューを放映した。男性は、銃を持った不審な男がいることを付近の警官やシークレットサービス(大統領警護隊)に伝えたにもかかわらず、犯行は防がれなかったと語った。

  男性は、東部ペンシルベニア州の会場でトランプ氏の演説が始まった数分後、男が建物の屋根にライフルを持ってよじ登るのを見つけて警官隊にその情報を口頭で伝えたり、男を指さして離れた場所にいる警護隊に警戒を促したりしたという。しかし、その後もトランプ氏の演説は続けられ、数分後に「5発の銃声」が響いた。直後に男は駆けつけた要員によって射殺された男性は、この男がトランプ氏を狙撃したのは「100%間違いない」と語った。
  X(旧ツイッター)上では、集会の参加者が撮影した動画や画像が大量に投稿されており、その中には、屋根の上で動かない状態になっている狙撃犯とみられる男の映像もある。


2024.07.04-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240704-27OCCDBIYRO2TLMIXOSHLKVLVM/
トランプ氏「バイデン氏は出馬やめる」 ハリス副大統領が民主党候補になると予想

  11月の米大統領選で返り咲きを目指す共和党のトランプ前大統領は3日、自身と対決した第1回討論会で精彩を欠いた民主党のバイデン大統領が「出馬をやめるだろう」と予想する動画を自身のソーシャルメディアに投稿した。

  討論会でのバイデン氏は「衰弱した老いぼれだった」とののしり、代わりにハリス副大統領が民主党候補になるとの見方を示した。ハリス氏については「彼女は哀れだ。本当にひど過ぎる」と語った。(共同)


2024.07.04-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240704-CHFLBMJMLRMCRGGX4NZUBAMILI/
トランプ氏はウクライナ侵攻の終戦案示せとゼレンスキー大統領 会談も希望

  ウクライナのゼレンスキー大統領3日、ロシアによる侵攻を解決できると主張するトランプ前米大統領に対し「戦争を終わらせる方法を知っているなら示すべきだ」と求めた。どのような提案だとしても国家主権を侵害するものであってはならないとも強調。ブルームバーグ通信のインタビューで語った。

  11月の米大統領選で返り咲きを目指すトランプ氏は、ウクライナへの多額の軍事支援を批判し、自分が当選すれば就任前にウクライナの戦争を解決すると主張している。
  ゼレンスキー氏「11月に私たちは米国の強力な支援が得られるのか、それとも孤立無援になるのかを理解したい」とし、トランプ氏との会談も希望した。米国の世論調査では、共和党のトランプ氏が民主党のバイデン大統領を僅差でリードしている。(共同)


2024.06.18-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240618-7ZC34TWL65OK7FSL3PCL2AKZOQ/
情報漏えい者の処刑要求か トランプ氏、元高官が証言

  米共和党のトランプ前大統領が在任中、自身に都合の悪い情報漏えいを問題視し、リークした部下を「処刑すべきだ」と周囲に話していたと、元高官が17日までにニュースサイト「メディアアイト」に証言した。11月の大統領選で返り咲けば「怒りと報復が統治の原則になる」と述べ、米国の大統領にはふさわしくない人物だと警告した。

  元高官は、トランプ前政権でホワイトハウス広報部長を務めたアリサ・ファラーグリフィン氏。民主党のバイデン大統領陣営が攻撃材料にしそうだ。トランプ陣営はファラーグリフィン氏が注目を浴びるためにうそをついていると反発した。
  2020年5月、白人警察官による黒人男性暴行死事件に対する大規模な抗議デモがホワイトハウス前で起きた際、大統領だったトランプ氏は「バンカー」と呼ばれるホワイトハウスの地下室に避難した。これが報じられ激怒したとみられる。(共同)


2024.06.14-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240614-TKU4Z4FVHJIWLIIEUQHE3UQIH4/
党大会開催地ミルウォーキーは「恐ろしい都市」 トランプ氏が発言か、陣営は否定

  米パンチボウルニュースは13日、トランプ前大統領が共和党議員団との同日の会合で「共和党大会を開催するミルウォーキーは恐ろしい都市だ」と述べたと報じた。ミルウォーキーは大統領選の激戦州、中西部ウィスコンシン州の最大都市。トランプ陣営は「偽ニュース」だと否定したが、波紋が広がっている

  トランプ氏は7月15~18日の共和党大会で、大統領選の党候補として正式指名される。同州の民主党関係者は「恐ろしいと思うなら来るべきではない」と反発している。
  パンチボウルニュースは、会合参加者の話として発言を報道。CNNテレビも関係者を引用してトランプ氏が「恐ろしい」と語っていたと伝えたトランプ陣営は、ミルウォーキーの犯罪率の高さや不正投票の問題について言及したが「恐ろしい都市」とは言っていないと主張した。(共同)


2024.06.07-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240607-SG42F7R3VBPRDEFX5SIDLULY5M/
トランプ氏元側近のバノン氏収監か 米地裁が出頭命令、議会襲撃調査の下院特別委に従わず

  米ワシントンの連邦地裁6日、議会襲撃を調査する下院特別委員会の召喚状に従わなかったとして議会侮辱罪で禁錮4月などを言い渡されたA被告に、7月1日までに刑務所に出頭するよう命じた。A被告はトランプ前大統領の元首席戦略官。米メディアによると、収監される可能性が高い。

  同じく議会侮辱罪で有罪となったトランプ前政権の大統領補佐官B被告は、3月から南部マイアミの連邦刑務所で服役している。A被告が服役すれば前政権高官で2人目となる。
  トランプ氏を熱烈に支持する政治運動「MAGA(マガ)」を推進するA被告は地裁前で記者団に「MAGAをつぶそうとしている」と述べ、連邦最高裁に上訴する意向を示した。(共同)


2024.05.31-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240531-TBCP4KRUWJKTNNKYJDUG22BO4Q/
「有罪」のトランプ氏、選挙と司法闘争を並行 ほかに3事件で起訴、民事も
(ワシントン 大内清)

  共和党のトランプ前大統領は、5月30日に有罪評決を受けた不倫口止め料を巡る事件のほかにも、3つの刑事事件で起訴されている。いずれも公判期日などは確定していないが、11月の大統領選に向けた選挙戦と並行して「司法闘争」が続くのは避けられない

  トランプ氏が訴追されている中で最も深刻度が高いのは、2020年大統領選での落選を覆すために、選挙結果を確定する公的手続きの妨害を共謀したとされる事件だ。21年1月に起きたトランプ支持者による連邦議会襲撃の引き金ともなった問題だけに政治的、社会的影響が大きく、トランプ氏側も防戦に力が入る
  その一環としてトランプ氏は、大統領在任中の行為については「免責特権」が保障されていると主張し、その審理を連邦最高裁に持ち込んだ6月中にも下されるとみられる判断で免責が認められなければ、トランプ氏は民主主義の根幹に関わる罪で司法の審判を受けることになる
  またトランプ氏は、同じく大統領選での敗北を覆すために南部ジョージア州の開票手続きに干渉したとされる事件では、起訴を行った黒人のファニ・ウィリス検事に利益相反の疑いがあるなどと主張大統領退任時にホワイトハウスから持ち出した機密文書の管理などを巡る事件では、5月に予定されていた公判開始が裁判所側の判断で「無期限延期」となっている。
  トランプ氏はこれらの刑事事件に加え、一族企業が不正に融資を受けた疑惑や、過去に性的暴行を受けたと主張する女性に絡む名誉毀損訴訟などの民事事件も抱える。膨大な額の弁護士費用を選挙資金からの流用でまかなっているとされる(ワシントン 大内清)


2024.05.31-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240531-HVPSKSHHKZNMFELJWGJBSQP2IY/
トランプ氏「有罪」に共和党関係者ら怒り「逆効果」「米国史で恥ずべき日」

  【ワシントン=大内清】かつて不倫関係にあったポルノ女優への口止め料支払いを巡り、米共和党のトランプ前大統領に「有罪」評決が下されたことを受け、交流サイト(SNS)上では、評決を非難する同党関係者らの投稿が相次いだ

  共和党の候補者指名争いから撤退し、トランプ氏に忠誠を誓うインド系投資家のラマスワミー氏は「これは(民主党にとって)逆効果になる」とし、今回の評決が11月の大統領選に向けてトランプ氏への支持固めにつながるとの見方を示した。
  同じく指名争いから撤退してトランプ氏支持を表明した南部フロリダ州のデサンティス知事は「もし被告がドナルド・トランプでなければそもそも事件化されていなかっただろう」と投稿し、起訴は検察による恣意的なものだったと批判した。
  同党のジョンソン下院議長は「米国の歴史で恥ずべき日だ」と指摘。トランプ氏の長男、ジュニア氏は、事件「米国を第三世界の肥溜めに転落させる」ために民主党が仕掛けたものだと主張した。


2024.05.31-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240531-PT6PFUSZWVJIJI72JZLJFDATW4/
トランプ氏に有罪評決 米大統領経験者として初 不倫口止め料裁判

  【ニューヨーク=平田雄介】トランプ前米大統領(77)が2016年の大統領選前、不利になるのを防ぐため弁護士と共謀して不倫相手の女性に口止め料を支払い、その事実を隠すことを意図して一族企業の業務記録を改竄(かいざん)したとされる事件で、ニューヨーク州地裁の陪審員12人は30日、全員一致で有罪評決を下した。  刑事事件で「有罪」となった米大統領経験者は初めて。トランプ氏が共和党候補指名を固めた11月の大統領選の成り行きに影響しそうだ。

  トランプ氏の量刑は州地裁の判事が後日、言い渡す。高齢で初犯のため収監される可能性は低いとみられている。
  トランプ氏は昨年3月の起訴時から「無実」を主張しており、弁護側は上訴するとみられる。
  トランプ氏は他に、20年の前回の大統領選での敗北を覆すため連邦議会や南部ジョージア州の公的手続きを妨害したり、大統領退任時に機密書類を持ち出したりしたとして3つの刑事事件に問われている。3事件とも、11月5日の今年の大統領選の投票日までに有罪か無罪かを示す評決が出る見通しは立っていない。
  トランプ氏は一連の事件を自らの再選を妨げる「政治的迫害だ」と訴える。口止め料事件の裁判で有罪か無罪かを話し合う評議が始まった29日、「マザー・テレサでも無罪にならないだろう」と先行きを悲観していた。

トランプ前米大統領の不倫口止め料事件
  トランプ氏が2016年大統領選前、元ポルノ女優に06年の不倫を黙っていてもらう見返りとして弁護士に立て替えさせた13万ドル(約2千万円)の口止め料を巡り、17年に一族企業の会計を不正に処理したとされる事件。検察側は、トランプ氏が選挙で不利になるのを恐れて口止め料を支払い、不当な手段で当選したのを隠すために会計不正を行ったと主張した。トランプ氏は昨年3月、業務記録改竄の罪で起訴され、34の罪状に問われた


2024.05.23-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240523-AXI64YBBCFMYNGJA74KVLSBFSA/
米共和党本部で血液入り瓶の小包見つかり一時封鎖 朝鮮語の聖書も トランプ氏宛てか

  ワシントンにある米共和党全国委員会の本部ビル22日、血液が入った2本の瓶が入れられた不審な小包が見つかり、ビルや周辺が一時封鎖される騒ぎがあった。11月の大統領選で返り咲きを目指すトランプ前大統領に宛てたものだった可能性がある。議会警察が内容物や送り主を捜査している。

  共和党全国委のワトリー委員長は声明で「トランプ氏をホワイトハウスに送り出すため、ひるまない」と強調した。米メディアによると、小包には朝鮮語で書かれた聖書も入っていたという。
  本部ビルでは、トランプ氏の支持者らによる議会襲撃事件が起きた2021年1月6日、パイプ爆弾が見つかったことがある。
(共同)


2024.05.15-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240515-M3ZWQ7ABSZL5PAKQWK7BTP2GMA/
米大統領選共和ランニングメート候補ら忠誠競う トランプ裁判は「オーディション」の様相

  【ワシントン=大内清】米東部ニューヨーク州で進むトランプ前大統領(共和党)の刑事裁判に共和党の有力者らが相次いで応援に駆けつけトランプ氏への忠誠心を競い合っている。トランプ氏は、11月の大統領選でのランニングメート(副大統領候補)選びで個人的忠誠を重視する姿勢を示しており、裁判はそのための「オーディション」の一環となっている格好だ。

「こんな裁判はインチキだ。まるで三等国だ」
  14日、トランプ氏の公判を傍聴したインド系投資家のラマスワミ氏は記者団にまくし立て、起訴は「政治的迫害」だとする弁護側の主張を繰り返した。同氏は共和党の候補者指名争いに参戦し、撤退後はトランプ氏に忠誠を誓う人物だ
  この日は、同様に指名争いから脱落した中西部ノースダコタ州のバーガム知事や、ジョンソン下院議長らも公判を傍聴。前日の13日には、トランプ氏の長男ジュニア氏と親密なバンス上院議員らが駆けつけ、傍聴席から「X(旧ツイッター)」への投稿で検察側を批判してみせた。
  不倫関係にあった元ポルノ女優への口止め料を巡る業務記録不正処理の罪に問われているトランプ氏は、4月15日の初公判以降、週3~4日のペースでの出廷が続く。その中で同氏は、この裁判期間を、15人前後とされる自身のランニングメート候補の忠誠心を測る機会ととらえていると指摘される。トランプ氏は今月上旬、米メディアのインタビューに、競い合わせるのが「効果的だ」と語った。
  ランニングメート候補にはラマスワミ氏やバンス氏のほか、指名争いの参戦者で唯一の黒人だったスコット上院議員ヒスパニック(中南米)系のルビオ上院議員下院指導部メンバー3のステファニク議員下院保守強硬派のグリーン議員中西部サウスダコタ州のノーム知事らも取り沙汰される
  副大統領候補は普通、支持層の拡大に資するかなどが主要な判断材料となる。その一方でトランプ氏が個人的忠誠に重きを置くのは、2020年大統領選での敗北後の議会手続きで選挙結果を覆そうとしたものの、仕切り役だったペンス副大統領(当時)の「裏切り」で頓挫した-と認識しているためと指摘される。トランプ氏は、大統領候補指名が正式決定する7月中旬の共和党全国大会の前に副大統領候補を発表する考えを示している。


2024.05.10-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240510-EPNSX6OJPFNB3IQIH5NAZ5BECQ/
性行為の証言、捏造を否定「もっとましなうそをつく」A氏不倫疑惑女性

  A前米大統領の不倫口止め疑惑に絡む事件の公判が9日、ニューヨーク州地裁で開かれた。不倫関係にあったとされるBさん(45)が再び出廷し、弁護側にA氏との性行為に関する証言の信ぴょう性を問われ「もし本当でないなら、もっとましなうそをつく」と捏造を否定した。米メディアが伝えた。

  Bさんは7日、2006年にA氏からホテルの部屋に招かれ、性的関係を持ったと証言した。強要はなかったとしながらも、A氏が行く手をふさぎ「力関係に差があった」と語った。A氏は関係を持ったことを否定している。
  弁護側は9日、ポルノ女優だったBさんが「性行為について創作した経験が多い」と指摘し、金銭目的で証言をでっち上げたと印象付けようとした。(共同)


2024.05.08-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240508-7EMG63YQDVO6RHQJ4IZBP24R7I/
A氏はベット上でTシャツにパンツ姿 不倫疑惑の女性証言 本人は「でたらめだ」

  A前米大統領が起訴された不倫口止め疑惑に絡む事件の公判が7日、ニューヨーク州地裁で開かれた。過去に不倫関係にあったとされる女性Bさん(45)が検察側の証人として出廷し、A氏と「力関係に差」があり、性行為に至ったと語った。米メディアが伝えた。

  出廷したA氏はBさんとの関係を否定してきた。法廷では不快そうに首を振ったり「でたらめだ」とつぶやいたりする場面があった。
  証言によると、2人は2006年にゴルフ大会で出会った。Bさんはホテルのスイートルームでの夕食に招かれ、A氏と性的関係を持った。約2時間、会話した後にトイレで席を立って戻るとA氏がベッドの上でTシャツとパンツ姿になっていたという。
  Bさんは、強要はなかったとしながらも、A氏の体が大きく行く手をふさぎ、部屋の外にボディーガードもいて「確実に力関係に差があった」と述べた。(共同)


2024.05.04-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240504-3MPR5IO47BLXPIQD2FTBQ3EKNQ/
最大の脅威は「ウクライナ戦争ではなく中国」 トランプ陣営のシンクタンクが提言書出版へ

  【ワシントン=渡辺浩生】11月の米大統領選で共和党の指名が確実になったトランプ前大統領陣営シンクタンク「米国第一政策研究所(AFPI)」が、安全保障政策の提言書を近く出版する。
  本紙が入手した同書「米国第一の国家安全保障アプローチ」では、中国やロシア、イランなど敵対勢力の抑止に失敗したとバイデン政権の政策を批判。中国を最大の脅威とし、軍事力強化を通じた「力による平和」の安保構想を論じている。トランプ氏が再選された場合の安保政策を占うものとして注目されそうだ。

  執筆陣は、トランプ前政権で大統領副補佐官を務めたフライツAFPI外交政策担当代表や、ペンス前副大統領の補佐官を務めたケロッグ退役陸軍中将、ライトハイザー元米通商代表、オルタガス元国務省報道官ら。フライツ氏やケロッグ氏らはトランプ氏と政策協議を重ねており、トランプ氏本人の方針を反映したものといえる。
  同書ではまず、「支配者層より米国民の利益を優先させるトランプ政権の統治アプローチ」とする米国第一政策のもと、前政権下の米国には「平和のときがもたらされ、20年間で初めて海外の新たな戦争に参戦しなかった」と指摘する。
  だが、バイデン政権が同アプローチを覆した結果、「バイデン大統領の不適格な指導力も加わって米国と世界の安全は悲惨な状況に陥っている」と批判。アフガニスタンからの米軍撤退が敵対勢力に「米国の弱さ」をみせ、以後のロシアのウクライナ侵略、中国の台湾への威圧や北朝鮮の核・ミサイル開発の加速、中東でのイランや親イラン勢力の攻勢など「世界は疑いなくトランプ氏が退いたときより不安定で危険になった」とする。
  さらに現政権が国防費を事実上削減して防衛基盤に十分な投資を怠り、中国などへの抑止力は低下したと指摘。11月の大統領選は「バイデン氏の失敗した政策か、成功した実績のあるトランプ氏の米国第一政策か」を選択する「歴史的分岐点」とした。
  米国第一政策は「孤立主義」だとの批判に対しては、「自由世界の指導者から後退するものではない」と反論する。北大西洋条約機構(NATO)など同盟諸国と密接に協力する一方で、「同盟諸国が相互防衛に応分の費用を負担することが不可欠」だと強調。米国益の促進を前提とした強固な同盟関係は「敵対勢力に勝る最大の比較優位」と訴える。
  同書は、ウクライナ戦争に関し停戦や和平交渉を含む「新たなアプローチと包括的な戦略が必要」と指摘。戦争の長期化は、「枢軸」化した中露、イラン、北朝鮮の連携を一段と強めるリスクがあると警告する。
  また、「米国の安全保障の最大の脅威はウクライナ戦争ではなく中国だ」と断言。特に台湾に対しては中国による侵略の防衛に不可欠な兵器や訓練の確保など、台湾関係法に基づいた関与の重要性を強調する。

  「台湾有事に関しわれわれの最重要パートナー」とする日本に対し「自衛隊の再軍備」に加え、東・南シナ海での中国の台頭に対抗するため他の同盟諸国への強固な支援を求めている
  米国では、トランプ氏の再選を想定し、保守系有識者や前政権高官らによる〝トランプ2・0〟の政策提言が相次ぐ共和党の新外交政策構想をまとめた新著「ウィー・ウィン ゼイ・ルーズ」も、「力による平和」で中国との新冷戦勝利を唱え、注目を集めた同書の共同著者で、国際政治学者のマシュー・クローニグ氏は「将来の共和党政権の国家安保戦略の原案になれば」と話している。


2024.05.01-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240501-T2XPD33MMVLGBLWNM3JMVVHXKQ/
A氏に罰金140万円、SNS投稿で箝口令違反 米ニューヨーク州地裁

  【ニューヨーク=平田雄介】A前米大統領の不倫口止め料を巡る会計不正処理事件で、東部ニューヨーク州地裁のメルシャン判事は4月30日の公判で、A氏が交流サイト(SNS)などへの投稿で証人や陪審員候補に言及し、公判関係者に対する攻撃的な発言を禁じた箝口(かんこう)令に違反したとして、罰金9千ドル(約140万円)と投稿の削除を命じた。改善がみられなければ収監もあり得ると警告した。

  A氏は箝口令により「言論の自由」を奪われたと主張している。メルシャン氏は「被告人の権利を保護するが、法的命令に故意に違反し続けることは容認しない」と断じた。メルシャン氏は、A氏の4月10~17日の投稿のうち、9件が箝口令違反にあたると判断し、1件あたり千ドルの罰金を命じた







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